予約契約による仮登記と時効

取引における「予約」とは何でしょうか。
「売買予約」「贈与予約」「代物弁済予約」
これらは、現時点ではあくまで予約しているにすぎず、将来それを実現しようとする意思表示をした場合に効果が発生する契約のことを言います。
この意思表示のことを「予約完結権」といい、原則一方的な意思表示により成立するとされています。

この予約をもとに、その権利を保全するのが仮登記です。
まだ、成立していない権利ですから、2号仮登記となります。(1号仮登記は法律効果は成立しているのですが、手続上の不備により本登記ができない場合の仮登記です。)

予約完結権を取得し、仮登記を入れても安心はできません。
(基本、仮登記では完全に安心はできません。)

予約完結権は債権ですので、消滅時効があります。
2020年の民法改正により、もともと10年の消滅時効が5年になりました。
今後予約契約をしたものに関しては、5年で消滅します。
登記簿上、期間が経過している仮登記は消滅時効にかかっている可能性が高いです。
ただし、予約完結権の行使は期間内に行っていたけど、仮登記の本登記をしてなかったということも考えられます。

所有権を取得した権利者が取引の相手に「登記をしてよ」と請求する「所有権移転請求権」は物権的請求権です。
物権的請求権というのは、所有権から派生した権利であります。
所有権を取得したことによって「引き渡してよ」とか「登記に協力してよ」と請求する権利が発生した訳です。

先ほど、債権は5年で消滅時効にかかると言いましたが、所有権は消滅時効にかかりません。(民法166条)

したがって、予約完結権の行使をしていれば、何年後であっても、仮登記の本登記が可能になります。

メリークリスマス☆
末っ子は小さい時から、お姉ちゃんと同じものをもらう。上の子は、その頃はもらえてなかったのにね。っていつも思います。(笑)

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