初めて公正証書遺言の証人をしたのは、事務所勤務だった時です。ボスと私。スタッフはそれしか居ませんでしたから、必然的にそうなりましたが、嬉しかったです。自分の名前も載るということが何だかすごく緊張しました。
公正証書遺言を作成するには、公証人とご本人、それ以外に証人として2人立会が必要です。ご本人の付き添いであるご家族は証人になれません。
(民法974条 証人になれない人
・未成年者 ・推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族
・公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人)
私は現在1人事務所ですから、大体そのお客様をご紹介くださった方をもう一人の証人としてお願いしています。一緒に立ち会うと、なんだか連帯感が生まれて、嬉しいですね。そして、その方の方がお客様とのお付き合いが長く、色んなことをご存知なので、その点安心します。
ちなみに、どうしても証人が捜せない場合には、公証役場にお願いすることもできます。6000円から10000円位の範囲で、お願いできます。
ですが、証人のお名前は書面でも残りますので、せっかくならご存知の方がいいのではないかと思います。
先ほど、証人になれない人の条文を載せましたが、それ以外証人になるのに条件はありません。大人で家族以外であれば、基本誰でもなれるのです。たまに弁護士や司法書士など士業でなくてはならないと誤解されますが、そうではありません。特に相続の勉強をされていらっしゃる方は、遺言者と接することで、遺言に込められた色んな方々の想いを知る経験ができますので、是非なってみてくださいね。
最近、私が驚いたことがあるのです。「遺言無効確認の訴え」といって、たまに遺言をめぐって争いになることがあります。
遺言は民法にきちんと形式や踏まなくてはならない手順がきちんと決められているので、それに外れたものは無効です。
また、書く時に「遺言能力」がなくてはなりませんので、全く能力がない場合も無効です。
また、誰かに脅されて無理やり欠かされたとか、偽造された疑いがあるとか、そういうことで無効になることもございます。
自筆証書遺言だとご本人がお1人で作りますから、遺言の有効性が争われるのはこの場合だと思っておりました。でも弁護士の先生がおっしゃるには公正証書でその有効性が争われるケースも無くはないのだそうです。
公正証書作成の際は証人が2人に公証人もいて、ご本人様確認もします。その場で遺言内容について読み上げを行います。そして、文書もきちんと法定された形で作成されます。それでも訴訟になることがあるんですね。
公証人の方でも、いつどのような方が作成されたか記録があるので、自筆より覆すのは難しいです。そういう訴訟になる可能性があるので、やはり公正証書の方が安心です。少なくとも、他の誰かが確認をしてくれていますので。
証人になったら、このような訴訟で証言を求められることもあるかもしれません!