分割方法の違いと譲渡所得の申告義務

また、前回の続きです。

金のインゴット(金塊)が500gが二つ、100gが一つ相続財産としてありました。

相続人である姉妹で、500gと600gで分ける内容で、この内容についてはお二人ともご納得されています。

さて、協議書の書き方について
①「・次の財産は長女〇〇に相続させる。金(刻印)500g
  ・次の財産は次女〇〇に相続させる。金(刻印)500g、金(刻印)100g」
これは、もの自体を直接2人がもらう内容です。(現物分割げんぶつぶんかつ)
もらってから売却という流れです。
従って、譲渡税の申告は、長女次女それぞれが、ご自身のもらった分に対して申告することになります。

②一方、譲渡を前提とした相続において、便宜、相続人の代表者が一人で相続をし、対価をみんなで分ける方法(換価分割かんかぶんかつ)や、バランスをとるための現金を他の相続人に支払う方法(代償分割だいしょうぶんかつ)をすることもあります。不動産の相続などでは、売主は少ない方が手続きは楽ですから、価値は平等に分ける場合であっても、手続上一人にまとめることは良くあります。

この場合
「・次の財産は売却を前提とし便宜長女〇〇が相続する。財産の内容 金全部
 ・長女は売却した代金から、諸経費(手数料や士業の報酬や、交通費や税金など)を控除し 
  た価格を長女5:次女6の割合で分けるものとする。」などと記載します。
このケースでは、一度長女が相続したものを売却していることから、金全部について長女のみが譲渡税申告の義務を負います。

ここで、前回の内容ですが、課税の仕方が総合課税なので、申告義務をどなたが負担するかで、トータルの税金の額が変わってきます。その他の収入をみて、階段の段階をみる必要があります。
また譲渡所得は、その利益から50万円の控除額があります。(税率かける前の控除)
例えば一人で申告する場合は、50万円の控除ですが、500gと600gを2人で申告すれば、それぞれ収入から50万円が控除になります。(税額が50万円安くなる訳ではありません)

従って、一般的には、沢山の相続人でそれぞれ申告した方が、税負担が少し減る可能性は高いでしょう。

このように遺産分割協議書を作成する際、もちろん相続人の間で、財産をどのように分けるかについて書けばいいのですが、実質同じような分け方であっても、表現の仕方によっては、税金の申告(やその方の保険料や住民税)などに影響が出るので、奥が深いです。

相続の際、考える税金として「相続税」と「譲渡税」は別なので、区別して検討しましょう。

このひよこがどうしても作りたかった!顔を作る時、ものすごい集中できて気分転換になります(笑)



6 comments

    • 小林 恭子 says:

      たこ焼き機使ったら、もっと真ん丸になるね!!意外と目分量で同じサイズにするの難しかったよ

    • 小林 恭子 says:

      おがちゃん。作ったはいいものの、食べる時ものっすごく食べにくいの。なんとなくごめんねって気分になる(笑)

    • 小林 恭子 says:

      コメントありがとうございます!!相続は専門またいだ勉強になるので、教えっこしましょう!!

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