期限の利益とは。

金融機関からお金を借りる契約では、返済日というものを決めます。文字通り、その日までに返してね、という契約です。
これは逆にいうと、「その日まではかえさなくていいよ」という、借りた人にとっての「利益」なんですよ。
明日返してと言われても困っちゃいますよね。時間的に猶予があるというのは、何事においても利益なんです。
貸す方からしたら、お金に利息をつけます。元本が時間の経過によってお金を生み出す訳ですから、時間は利益なんです。

ところが、その日が定められていたとしても、それに関わらず、直ちに返済を求められる場合というのが定められています。これを「期限の利益の喪失」といいます。

民法137条。民法で定められている喪失。
*債務者(お金借りた人)が破産
*債務者が、担保として提供しているものを減失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
*債務者が担保を提供する義務を負う場合にこれを提供しない場合。

また、民法以外にも、契約によって「期限の利益を喪失」します。
金融機関からお金を借りる際は、金銭消費貸借契約、また抵当権を設定する場合には抵当権設定契約をします。
その際に、担保として提供する不動産は債権者の承諾なしに勝手に譲渡してはならないという文言も入ってます。

*契約違反をした
*返す期限までに返済しなかった
*契約時の申告が嘘だった

など、信頼関係を損なうようなこををすると、期限の利益がなくなります。

良く結婚の際にご主人が住宅ローン組んで新居を買い、離婚の財産分与で奥様に所有権が移った。というケースを見かけますが、これも所有者が変わりますから、本来は銀行にその旨耳に入れる必要があります。(実際は、、それを怠っているケースも。。。)

ちなみに、期限の利益を自ら放棄して、期限前に完済してしまうことは可能です。(民法136条)
この場合、自発的に自らの権利を放棄している訳ですので、貸した人の利息として受け取れる利益は、たとえ早く払ったとしても保証する必要があります。繰り上げ弁済です。

ライラック。細かいおもちゃに夢中になる姉と、集中力なく、おもちゃの箱を被って遊ぶ妹。

昨日の相談会でも地元の方々に沢山お越しいただき、ありがとうございました。
来月は、都合により6月20日となりますが、お待ちしております!

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