登記申請の際には、登録免許税の税額分の収入印紙を申請書に貼って納めます。
この登録免許税の税額の計算方法については、登録免許税法で定められています。受験の時は、この税率を覚えた記憶があります。
ところが、事務所勤務を始めると、覚えた税率で登記をすることは、殆どありませんでした。というのも、租税措置法で軽減税率が定められていたからです。
税率(評価額に対して)
土地の売買による移転登記 2.0%→1.5%
居住用建物※の保存登記 0.4%→0.15%
居住用建物※の保存登記(長期優良住宅) 0.4%→0.1%
居住用建物※の移転 2.0%→0.3% ※相続は除く
居住用建物※の抵当権設定 0.4%→0.1%
※条件あり(住宅用家屋証明書を取得する必要があります)
これは時限立法(有効期限を決めて定めた法律)ですが、年度末3月31日までとされた期限が、1,2年先に延ばされて継続しています。
住居に関しては、居住用は投資用に比べてかなり軽減があります。これは登録免許税に限りません。住む場所というのは生きていくのに不可欠ですから。
登記の対象となる不動産が土地か建物か、土地であれば売買が原因か、建物であれば居住用か確認が必要です。
その上で、条件に当てはまれば税金の負担が軽くて済みます。
私達は、案件の中で売買が多いので、土地の登録免許税はほとんどが1.5%ですが、それに慣れすぎていて、たまに贈与の登記などがあると「あれっ」と思う時があります。
本則があり、それを訂正したり、更なる条件をつける法律が別にあったりするので、原則だけで決められない。実務の最初に思ったことでした。