認知症や死亡後のことを、事前に頼む「契約」

法定後見というのは、民法で定められた制度です。(民法7条以降)
一方任意後見というのは、お元気な時にご本人との「契約」によって万一認知症になった場合にサポートする制度です。
契約は、AさんとBさんがお互いに約束をすることです。売買や贈与などもそうですね。賃貸借などもそうです。任意後見では「私が認知症になったら具体的にこのようなことをしてね」と契約を交わします。

同じように「死後事務委任」というのはご本人との「契約」により、死後のサポートをお手伝いすることです。一方「死後事務サポート」というのは、お亡くなりになった後、相続人からの依頼でお手続きを進めることです。

やることは似ていたとしても、これらは法律的な構成と、難しさが全く違います。

「法定後見」や「死後事務サポート」は分かりやすい。必要になった時に周囲の人からのご依頼でスタートさせるからです。

一方、「任意後見」や「死後事務委任」は、ご本人との契約であり、実際それを行う時にはご本人がいない。そして、ご家族と利害が対立する(ことも)ある。
大きな問題はこの3点です。

*契約と、実際の業務の間に、時間的にかなり間が空くことも想定される。
 その間の状況の変化、起こりうることについても可能性として想定する必要がある。
 受任者が先に死ぬ可能性。死ななくても、どうしても業務が難しくなる可能性。お互いの状況の変化

*特に「死後事務」の場合。ご本人のお金からその実費を確保しておかなくてはならない。
 実際使うのと、契約時にこれも時差がありますから、確保の仕方が難しいです。

*また、先ほども申したように契約当事者であるご本人がいない中で、ご親族とのやりとりが
 発生する。

ちなみに、「委任契約」(これをやってね。お願いね。「うん分かった」という契約)は当事者の死亡によって終了するのが原則です。(民法653条)
でも、死後のことをお願いする契約なのに、民法の規定を厳格に適用した場合は、まったくの「無意味」ですね。したがって、さすがにそれはおかしいから、死後事務委任は653条の適用はないと解釈されています。根拠は90条91条だと言われています。
さすがに「おかしいだろう」と皆が思うようなことは無効。(公序良俗)。契約行為の当事者の意思を尊重する(91条)ということで、晴れて「死後事務委任契約」は広く知られています。

大宮に拠点ができ、好きな場所が沢山できました。環境を揺さぶると、考えることも気づくこともあるから、前向きに積極的に頑張ります!!

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