マニアックな戸籍の読み方講座

人の一生には、何通か戸籍があります。相続の時は亡くなった方のお生まれからお亡くなりまでの戸籍を取得することが良くあります。人によりますが、5~6通位はあるでしょうか。この通数、別のものになる原因は2つあります。
一つは「転籍」ですね。婚姻とか、そうでなくてもお引越しに伴って本籍地を移す届を行政にした時です。もう一つ、自分は何も届を出してないのに、新たな戸籍になることがあります。それが「改製」です。これは、同じ本籍であっても、国の決定で勝手に戸籍が書き変わります。したがって、よっぽど短命でない限りは、ずーっと本籍を移したことの無い方であっても、人生で数通戸籍があるのです。

戸籍を見る時は、その戸籍が「いつから」「いつまで」のものかを必ずチェックします。
始まりは、「家督相続」「分家」最近だと「婚姻」などが多いです。
終わりは「転籍」「改製」です。

さて、先ほどご覧いただいた最初の戸籍には、「法務省令第二十七号により年月日本戸籍改製」とあります。「あ、この戸籍はこの日に終了したんだ」と思うじゃないですか。

違うんです。

次の戸籍をご覧ください。「改製原戸籍(かいせいげんこせき)通称(はらこせき)」です。
「法務省令第五十一号なんとかによる改製」につき「年月日消除」
最初の法務省令は平成6年、実際に消除されたのは平成20年です。
簡単にいうと「やるぞ」という法務省令が出た日と、それが実現した日。改製にはこの2つの記載があるハズなんです。この2つの日付が随分あいているものも多く、「決めてからこんなにかかったの。。」と思うこともあります。

最初の戸籍の記載は「改製」という文言がありますが、これは改製で良く見る記載の最初、つまり「法務省令が出たよ」という記載にすぎません。(実際にそれが実現したのはその後です。)
そしてこの方は、改製が実現する前に、自主的に転籍をしています。

その証拠に、一つ目の戸籍は「除籍」となっています。これは、全員転籍をしたり、全員死亡して消滅した場合に、それまでの戸籍を呼ぶ呼び方だからです。

したがって、最初の戸籍の終わりは「改製」の日ではなく「転籍」した日となります。

紛らわしいですね。じっくり見ると面白いんですが。皆さんも注意してみてくださいね!

バラとワックスフラワーの組み合わせがいい感じ。コスモスもいるよ。蕾も沢山あるから、増えるかなぁ。

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