不動産の所有権移転登記を申請する際、売主の登記識別情報通知が必要です。
どんなものかは別のページでご紹介しています。
http://kmar-jimu.com/何をもって不動産の所有者と判断するのか/
オンライン指定日以前は名義人の権利を証明する書類として登記済証というものがありました。これが、大体平成17年から20年あたりに登記識別情報通知が通知されることに変更になりました。
登記済証というのは、登記申請書に「登記済み」の赤いハンコが押されたものです。当時は、この紙の書類を所有していることが所有者であることの証明とされました。
現在は、先述のページでご紹介した通り、紙を持つことではなく、暗号を知っていることが証明になります。
さて、売買のお話に戻ります。例えば売主Aが
平成3年 所有権移転 持分2分の1 A
2分の1 B
で持分2分の1だけ購入しました。
その後、相続が起き
平成28年に B持分全部移転 持分2分の1 A
で、めでたく残りの半分の持ち分もAの所有になったとします。
このように2回に分けて所有権を取得した場合、それぞれの移転の際に作られた登記済証か識別情報が両方必要になります。
平成3年はオンライン化の前なので、Aが権利を取得した時に作られたのは登記済証です。そして平成28年に取得した際に発行されたのは識別情報通知です。
決済当日、和やかな雰囲気が一転、書類が足りない、、というスリリングな事態に陥るのは、上記ケースの時、片方だけある場合が多いです。お客様は、どちらか1つだけで安心してしまうようです。登記済証と識別情報は見た目も全く違うので、同じ役割を果たす書類とは思わないのかもしれません。
中には、沢山の登記済証をお持ちになり、今回の決済に必要なものはどれですか、とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。(そして、今回の決済では不要なものも含めて、そんなに沢山登記済証をお持ちいただいたにもかかわらず、肝心の必要な済証のみ、無かったりします。。)登記済証はなぜか和紙で、法務局が押す登記済のハンコも日付が壱、弐、参といった旧数字になっているため、識別より読みづらいのも確かです。
決済当日に慌てない為にも、共有でも単有でも、それぞれどの登記申請した後に発行されたものなのか、良く確認して、大切に保管していただきたいと思います。
あと一ヶ月後には、桜が満開らしいですよ♪
旅行会社時代だったら見頃のずれでかなり焦ったと思う