死亡による権利変動

相続のご相談をしていると、誤解を持っている方が多いかなぁと思うことがあります。

「相続=ご本人の死亡によってその財産の移転が生じること」

おっしゃる通りではありますが、死亡したら何でも相続?ではないです。

相続による移転は、相続人への権利の移動です。
相続人は民法に定められており、
①子供と配偶者
②親と配偶者
③兄弟姉妹と配偶者
です。

相談をしていて比較的多いのが、ご自身が相続人なのではなく、相続人の配偶者が相続手続きを主にされている場合です。

例えば昔よくあった「結婚と同時に結婚相手の両親と自分が養子縁組をする」などの場合は親子関係が発生します。しかしそうでない場合は、義理の親の相続では相続人ではありません。

長く一緒に住んでいて、義理のお義父さんと共有で不動産を持っていた方が、お義父さん亡くなったから相続の手続きをして全部の持分にしたいとおっしゃいました。

亡くなったことにより発生する物権変動だったとしても、相続人への移転でなければ相続ではありません。

相続人以外の人に移転する場合は
「死因贈与」だったり「遺贈」だったりします。

死因贈与と遺贈の違いは、前者が契約であるということです。
「契約」つまり、お互いが納得して契約書にサインをすること。対する遺贈はご本人が意思表示をすると、成立する単独行為だということです。

どちらにしても、ご本人が生前に意思表示をしていなければ、死因贈与や遺贈にはなりません。

もう既に亡くなっていて、何も残していないということであったので、直接お義父さんから義理の息子さんへの権利変動は、残念ながら難しいです。

なくなった後では、どうしようもないことでも、生前であれば、とっても簡単な手続きで解決することがとっても多いです。


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